都会の喧騒から逃れてビーチリゾートでダイビングを楽しんだ後、忙しい仕事が待っているから飛行機に乗って一飛びで帰らなければいけないという方は少なくありません。しかし、 ダイビング 直後に 飛行機 に乗ると減圧症になるリスクが高まります。なぜでしょうか。
減圧症とは何でしょうか。どのような予防ができますか。飛行機から降りた直後のダイビングはいいのでしょうか。
ダイビング直後の飛行機搭乗は危険!理由と対策の徹底解説
ダイビングで使うのは「酸素ボンベ」ではありません
実際、ダイバーが水中で呼吸するのは酸素ではなく、私たちが地上で吸っている空気が一般的です。それで、ダイビングで使うのは「空気が充満されたタンク」と言うのがふさわしいと言えます。空気の成分は窒素79%、酸素21%、アルゴン、二酸化炭素、その他です。
つまりほとんどが「窒素」と言うわけです。普通の呼吸では身体に吸収されませんが、水圧のかかるダイビングにおいてはこの窒素が身体に溶け込んで泡になり曲者となるのです。
なぜダイビング直後の飛行機搭乗が危険なのか?
ダイビング後、地上で窒素が身体から抜けるまでの時間は18~24時間と言われています。体内から窒素が抜けきっていないまま飛行機に乗ると、高度が上がるにつれて体内に残った窒素が膨張し、「減圧症」になる可能性が高まります。
ダイビング直後は飛行機だけでなく、高い山に登るのも控えた方がいいということです。
減圧症とは
減圧症とは、ダイビング中に窒素が脳や体内に過剰に残り、ダイビング後に地上で膨張し、手足・指先・皮膚などのピリピリ感、激痛、めまい、吐き気、だるさ、疲労感、物の見え方の異常などの症状が出ることがあります。
例えて言えば、炭酸飲料のキャップを開けた時と同じ現象が人の身体でも起きてしまうということです。炭酸飲料の場合、高圧下で溶け込んだ大量の炭酸ガスが、キャップを開けることで圧力が下がり、急速に解放され大量の泡が発生します。
ダイビングで深く水中に潜ると周囲の水圧が高くなるので、タンクの中の空気は地上にいる時よりも血中に溶け込みやすくなります。
その状態で急速に水圧の低い地上に戻ると圧力によって血中に溶け込んでいた窒素が解放され、血中に気泡が生じます。その気泡が血管を塞いだり、組織を圧迫したりし、減圧症になります。
減圧症は自然治癒することはほぼありません。高気圧酸素療法が唯一の治療法です。発症後できるだけ早く治療することで後遺症を最小限に抑えることができます。
減圧症の予防
簡単に言えば、「気泡が生じないようにする」ことが最大の予防になります。安全停止をしながら時間をかけてゆっくり浮上すること、潜水時間、潜水回数、水面休息時間、潜水深度に気を配りましょう。
ダイビングの後できれば24時間は空けて飛行機に乗るのが安全です。せっかくの旅行ですから、予定を詰め込み過ぎず、ダイビングの後はゆっくりくつろぐなら楽しさも安全さも倍増します。
飛行機から降りた直後にダイビングをしてもいいの?
飛行機に乗って上空へ行くと空気が薄いので、それに比例して窒素も薄くなり、体内の窒素量は周囲の環境と同じになろうとするため、飛行機搭乗後は体内の窒素量が少ないので減圧症の危険性は低くなるので、この観点だけで考えるとダイビングをしても大丈夫です。
しかし、機内の乾燥による脱水症状が血液の循環を悪くし、窒素の排出を妨げる要因になりやすいので水分補給を十分に行ってからダイビングを行うようにしてください。
飛行機から降りてすぐは、疲れていたり、時差ボケがあったり、集中力が低下していたりすることもありますので、ゆとりのあるプランを立てるようにしてください。
まとめ
ダイビング直後の飛行機搭乗は危険!理由と対策の徹底解説
ダイビングで使うのは「酸素ボンベ」ではありません
なぜダイビング直後の飛行機搭乗が危険なのか
減圧症とは
減圧症の予防
飛行機から降りた直後にダイビングをしてもいいの?