秋の京都は、紅葉が人気です。11月には溢れかえるほどの人で、多くの観光スポットは大変混雑しています。
その中でも、永観堂は古くより「秋はもみじの 永観堂 」といわれるほど有名な 紅葉 スポットです。赤く染まる特別な風景がみられる永観堂についてご紹介いたします。
赤く染まる永観堂!紅葉の特別な風景と宝物をみに行こう
永観堂の歴史
京都の寺院・永観堂は、853年に弘法大師の弟子・真紹が文人であり歌人であった藤原関雄から譲り受けた山荘を、真言宗の道場としたことから始まりました。そして863年に清和天皇より寺院建立の許可を得て、「禅林寺」という寺号を賜りました。
第七世・永観(ようかん)律師にちなみ永観堂(えいかんどう)と呼ばれるようになりましたが、正式名称は禅林寺です。
永観堂は、長い歴史の中で、真言宗から浄土宗に改宗した寺院です。もともと真言宗のお寺として誕生し、約220年間続きましたが、永観律師の時代から約140年間は、真言密教と三論宗系の浄土教寺院でした。その後、浄土宗の寺院になりました。
住職とご本尊
永観堂の発展に最も尽力したといわれる永観律師は、地位も名誉も捨て住職となり、境内には施療院(薬王院)を建て、恵まれない人々の救済活動に力を注ぎました。
また、浄土念仏の道場を開き、人々に念仏をすすめました。永観律師の時代から、徐々に浄土教の色が強くなったといえます。
そして、ご本尊は重要文化財に指定されている阿弥陀如来立像ですが、顔を左後ろに向け、口を少し開いた姿をしており、「みかえり阿弥陀」として知られています。このお姿は、永観が大きく関わっています。
永観は50歳の頃、いつも通り念仏を唱え阿弥陀像の周りを巡っていたところ、前方に同じく修行する人影がありました。目の前にいるのは阿弥陀様で、永観の方へ振り返り「永観、遅し」と声をかけられたそうです。
阿弥陀如来立像は、その時の尊いお姿そのままであるといわれています。
秋の紅葉
「秋はもみじの永観堂」といわれているように、11月中旬から下旬にかけての永観堂は、燃えるような赤色に染まります。
境内にある放生池周辺の紅葉は、絶好の撮影ポイントです。特に池の真ん中にある弁天島にかかる橋は立ち入り禁止のため、人で混雑する紅葉の時期も、景色だけを撮影することができます。
また、毎年11月上旬~12月上旬までライトアップをしており、ライトに照らされた幻想的な紅葉をみることができます。日中同様、かなりの混雑が予想されますが、それでもみる価値のある特別な風景です。
ライトアップ期間中の拝観時間は、午後5時30分~午後8時30分(閉門は午後9時)で、拝観料として中学生以上600円が必要です。
年に一度、お宝が里帰り
永観堂には、国宝や重要文化財に指定された寺宝が多くあります。その大半が博物館に収蔵されていますが、年に一度、お寺に戻り「秋の寺宝展」で公開されます。
拝観時間は、午前9時~午後4時(閉門は午後5時)で、拝観料として大人1,000円・小中高生400円が必要です。またライトアップと同時期に開催されていますが、日中の拝観終了後、一度閉門しますので、そのまま夜まで境内に残ることはできません。
紅葉時期に訪れる方は、ぜひ普段みることのできない貴重な寺宝を永観堂でご覧下さい。日中と夜では、全く違う風景を楽しむことができますので、お時間があれば、2度訪れることをおすすめします。
永観堂へ行こう
永観堂までのアクセスは、バスをご利用の場合、京都駅より最寄りのバス停・南禅寺永観堂道まで約35分~約40分かかります。バス停から永観堂までは徒歩で約3分です。
紅葉シーズンは混雑するため、道路の渋滞は避けられないでしょう。所要時間も予定時間を大きくオーバーすることは覚悟して下さい。
また、地下鉄をご利用の場合、京都駅より地下鉄・烏丸線で烏丸御池駅まで所要時間約6分です。東西線に乗り換え、下車駅・蹴上駅まで所要時間約7分かかります。下車後、徒歩にて約15分で到着です。乗り換えがあり、地下鉄を降りてからも徒歩でかなり移動します。
しかし、道路事情に左右されることなく移動できますし、散策しながらの徒歩移動は長く感じない方も多いでしょう。混雑する時期は、地下鉄の方がおすすめです。
また永観堂の駐車場は無料ですが、スペース(バス9台と普通車20台分)が限られているため、できるだけ公共交通機関をご利用下さい。また秋の寺宝展の時期は駐車できません。
拝観時間は、午前9時~午後4時(閉門は午後5時)です。拝観料として大人600円・小中高生400円が必要です。また、30名以上の団体は、大人500円・小中高生350円になります。拝観時間は寺宝展も同じですが、拝観料は違いますのでご注意下さい。
紅葉シーズンは、交通渋滞や入場の際の行列、境内の混雑など時間がかかることが多くあります。混むことを想定して、余裕のある計画を立てましょう。そして美しい永観堂をゆっくりと楽しんで下さい。
まとめ
赤く染まる永観堂!紅葉の特別な風景をみに行こう
永観堂の歴史
住職とご本尊
秋の紅葉
年に一度、お宝が里帰り
永観堂へ行こう