海とあじさい、電車とあじさい、お寺とあじさい。そのようなコラボレーションが見られる 鎌倉 は日本屈指の あじさい の名所です。
いつ見ても心癒されるあじさいの花ですが、最も美しく見られる時期や色の秘密を知るともっと鎌倉のあじさいが好きになるでしょう。
鎌倉のあじさい、色に注目するともっと好きになる
鎌倉にあじさいが多い理由
神奈川県の鎌倉市といえばお寺が多く、そのお寺にあじさいの花があり、人気の観光スポットとなっています。鎌倉のあじさいといえば、お寺だけではなく電車が通る線路の近くや、商店の店先などいろいろなところでも見ることができます。
鎌倉にはなぜ、あじさいが多いのでしょうか。鎌倉は海と山に囲まれた地であじさいの育成に最適な場所とされています。そして、あじさいの細く長く、横に張っていく根が山の斜面の土砂崩れを防ぐの役割をするのにも良いのです。
また死者への弔いの花としてお寺にあじさいが植えられたという説もあります。
あじさいの色の変化には理由がある
あじさいの花には青、紫、赤、ピンクなどいろんな色があります。なんとなく知っている人は多いと思いますが、色の違いはあじさいが生えている土の成分によるものです。
土が酸性だと青い花、アルカリ性だと赤い花になります。もう少し詳しく説明するとあじさいの持っているアントシアニンという青やピンクに発色する色素が酸性の土に溶けだしたアルミニウムと結合して青色に発色するのです。
アルカリ性の土ではアルミニウムが溶けにくいのでアントシアニンがピンク色に発色します。湿度が高いほど色が濃くなるため、梅雨のはじめは淡い色だったのがだんだんと濃くなっていきます。同じ株で色が違うのは、あじさいの根が広く広がっているためです。
酸性の土に伸びている根からはアルミニウムが溶けだした水や養分を吸い上げ、アルカリ性の土の方に伸びている根からはアルミニウムを含まない水や養分を吸い上げます。それぞれの根が吸い上げた水や養分が運ばれた枝によって花の色が違ってくるわけです。
お寺によってあじさいの楽しみ方がある
あじさいの色の仕組みについて少し説明しましたが、鎌倉であじさいが有名なお寺のあじさいの特徴をご紹介します。
「あじさい寺」との異名をもつ明月院は濃い青色の紫陽花が咲き乱れます。ほぼ「ヒメアジサイ」という品種が植えられており、満開になるとすがすがしい青い世界が広がります。いつしかこのあじさいは「明月院ブルー」と呼ばれるようになりました。
また「花の寺」と呼ばれる長谷寺は40種類以上のあじさいが栽培されており、色もさまざまです。種類にもよりますが、土の成分が関わっているものもあるのでしょう。
他にもあじさいが美しいお寺はあります。咲く場所や与えられた養分によって色を変え、それでも美しく咲くあじさいは、優しさの中に強さがある理想の女性のように感じます。
最もあじさいが美しく見られるのはいつ?
あじさいの種類や気候によって多少の差はありますが、鎌倉のあじさいの見ごろは6月の上旬から下旬と言われています。梅雨が本格的になるとあじさいの美しさも増していくのです。
さらに、あじさいは雨との相性もよく、雨に濡れた姿もあじわいがあります。晴れの日も雨の日もどんよりとした曇りの日にもそこで咲き続けて、見る人の心を癒してくれます。
あじさいスポットとして有名な寺院
鎌倉には本当にたくさんのあじさいが美しいお寺や神社がたくさんあるのですが、その中でもあじさいの名所として名前がよく上がるお寺と神社をご紹介します。
- 明月院 鎌倉市山ノ内189
- 長谷寺 鎌倉市長谷3丁目11
- 東慶寺 鎌倉市山ノ内1367
- 極楽寺 鎌倉市極楽寺
- 御霊神社 鎌倉市坂ノ下4-9
まとめ
鎌倉のあじさい、色に注目するともっと好きになる
鎌倉にあじさいが多い理由
紫陽花の色の変化には理由がある
お寺によってあじさいの楽しみ方がある
最もあじさいが美しく見られるのはいつ?
あじさいスポットとして有名な寺院